2009年


アダジオ(リフト)について

アダジオについて…今回はアダジオ(リフト)についてお話します。プロのショーやデモで、男性が女性を持ち上げたり、床の上で回したりする、一般のクラスでは学べない動きで、これらをリフト、ドロップ、ディップ、トリック等と呼びます。1つの曲に2つか3つ入れるとダンス全体が盛り上がります。アメリカでは、このリフト等を中心に踊る種目が競技会に入る時がよくあります。種目は、シアターアーツとかキャバレーという名で行います。アメリカではこの種目が上手なダンサーは少なくありません。私の師であるピエール・デュレイン氏がこのリフトなどを中心に使って踊る種目で、80年代ロンドンのブラックプールの大会において4年連続チャンピオンになる輝かしい成績を収めております。幸運にも私は長年ニューヨークでデュレイン氏から直接このリフトのテクニックを教わりました。リフトをいかにうまくこなすかは、基本的にはテクニックとタイミングの問題です。そして集中力です。バレエ等のリフトの様に、止まっている状態から行うのではなく、動いている勢いを使って出来るだけ力を使わずにかつ安全に行うリフトを行います。これからもこのアダジオのテクニックを日本中のダンサー達に伝えていきたいと思います

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ダンスと健康

今回はダンスと健康についてです。JSDCでは現在、小学生から80代のシニアの皆さん、視覚障害者の方、デイホームやホスピスのシニアの方、ウェディングでダンスを踊られる新郎新婦にお父様、プロダンサー、役者、国籍の違う人々など、多くの人々にアメリカンスタイルの社交ダンスの楽しさを伝えています。この様に幅広い背景の皆さんとダンスを踊っていると、多く話題にのぼるのが、体調についてです。ダンスは健康に大きくつながりますし、実際にダンスをやっている人、やったことがある人はダンスを続けることが健康にどれ

だけ良い影響を与えるかという事をよくご存知だと思います。

JSDCではどのクラスもダンスの前に体操(ウオーミングアップ)を行います。体を伸ばしたり曲げたりして体をほぐし活性化させます。長くダンスを続けているとウオーミングアップがいかに重要かということが分かってきます。音楽を聞いて体を動かし、色々な人と手を触れ合って踊っていると、自然に「楽しい」という感情が湧いてきます。楽しく踊れば踊るほど長続きし、長続きすればするほどダンスは上達します。同時に性格も明るくなるようで、考えが前向きになり、人との会話も増えてきます。従って仕事も順調に進んで行きます。ダンスを踊り続けることにより全てがよくなります。またダンスが出来るこということは非常に恵まれているということも知って頂きたいことです。ダンスをやりたくても出来ない人もたくさんいます。ダンスが出来ることを感謝しながらも、全ての面で良い影響が出るようダンスを続けてみてください。

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振り付けについて

今回は振り付けについてです。

忙しい作家の方が、原稿に追われるように、私も常に南極もの振り付けを同時進行で行っています。たとえば、現在は6曲を並行して考えています。ブライダルダンスなどの振り付けは、カップルの好みやペースに会わせて考えますので、その場で私がアイデアを出しながら、生徒さんに集中してトライして頂きます。

振り付けをするには、まず曲探しから始めます。これだと思える曲を見つけるには時間が掛かります。映画音楽などの中からいい曲が見つかれば素晴らしいです。抑揚やメリハリがあるか、ポーズやリフトを入れるアクセントになる部分がいくつか入っているか、程よい長さであるか、出来るだけ多くの要素が入っている曲を選びたいです。曲が決まったら、実際に、踊り始める曲のポイントを見つけ、そこから音楽を何度も聞いてアイデアを出していきます。生徒さんのための振り付けの場合は、ご本人にどんなこと(ステップ、ポーズなど)を振り付けに入れたいか伺って行います。

私の振り付けの基本はとにかく音に合わせることです。特にアルゼンチンタンゴを知ってからその気持ちは強くなりました。アルゼンチンタンゴでは、基本になるリズムがあってないようなもので、曲によってかなり違う振り付けになります。また、大変難しく見えながらも、実は比較的やり安いステップが振り付けの中にあると、覚える方は楽になります。

同じ人がいくつも振り付けをしていると(どの分野の芸術でも同じですが)、どこか似たようなものが出てきます。

常に新鮮で皆さんに喜ばれる振り付けを考えて行きたいです。ご期待ください!

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エチケット・マナー

最近JSDCでは、クラスやパーティでのマナー、エチケットについての話がよく出ている
ようです。
例えば、ホールドする時の男性の手の位置。女性の肩甲骨の少し下辺りにあるはずが、
ずっと下の腰の方や正面の胸の方に動いたりと、女性にとっては心地良いものではあり
ません。ステップに一生懸命かもしれませんが、男性の皆さん気をつけてみて下さい。
また、口臭、汗、タバコのにおい。ダンスの前はニンニクなどが入っているものを食べ
ない、ガムやキャンディを口に入れておいたり、何度かTシャツを変えるなど、対策は
いくつかあります。
次に、女性から男性への、ステップやリードに関するコメント。女性は男性を思っての
コメントやアドバイスをすることがあるかもしれませんが、その前に男性の表情をご覧
下さい。一生懸命な時の女性からのアドバイスは、有難い場合よりも不愉快と感じるこ
との方が多いようです。更に、混乱することが殆どです。男性は①ステップをする②リ
ードをする③次のステップを考える④周りを見て他の人達とぶつからないように動いて
いく、などとても忙しいです。また、一般的に女性の方が男性よりステップを覚えるの
が早いのです。
「男性が少ない」「誘ってもらえない」「もっと踊りたい」など女性のコメント、本当
の気持ちだと思います。ただ、もともと男性が少ない社交ダンスの世界です。いいリー
ダーを育てる意味でも、本当に相手を思っての言動を是非お願いしたいと思います。も
ちろん、これは逆の立場でも同じです。
お一人お一人の思いやりで、皆さんが心地よく踊れる環境を作って行きたいものです。

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音楽について

アメリカなどのダンスパーティでは、主催者もゲストも音楽をとても大切に考えます。ただ、踊ればいい、リズムが取りやすければいい、という選曲なんてしてしまえば、参加者の気持ちも盛り上がらず、ゲストはあっという間に帰ってしまう可能性もあります。「いい曲」かつ、「踊りやすい曲」でなければいけません。JSDCでも、レッスンや練習会、パーティの選曲にいつも真剣に取り組んでいます。日本だけでなく、世界の国々には、人気のある、いい曲がたくさんあります。この全てをダンス用に使えれば、こんなに嬉しいことはないのですが、リズムが取りにくい、リズムが取りやすくてもスピードが速すぎる(遅すぎる)、イントロが長すぎる、などの確認がダンスのための選曲の場合、大切になります。

先日、生徒さんに、練習会やパーティで掛ける曲のリクエスト頂きました(ありがとうございます!)。皆さんのご意見はとても貴重で参考になりますので、これからも、どしどしリクエストをお待ちしております(踊りやすいかどうかはその後、検討させてください)。その場合、音源(CD,MD)も一緒にお持ちください。出来るだけ皆さんが踊って楽しい、または聞くだけでも楽しめるものをどんどん取り入れて行きたいです。よろしくお願いいたします。

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練習会についてのアンケート

数週間前に、練習会に関するアンケートを行いました。ご協力頂いた皆さん、本当にありがとうございました。アンケートでは、練習会のことを知っていますか、どれくらいの頻度で参加しますか、練習会のどんな所がいいですか、こうだったらいいなと思うところ、などいくつかの質問に答えて頂きました。結果や頂いたご意見は集計して、スタジオで自由にご覧頂けるようにしておりますのでお楽しみ(?)ください。

練習会の良いところについては「運動になる」「習ったステップの復習が出来る」「講師と踊れる」などの意見、もっと「こうだといいなと思うところ」については「もっと講師と踊りたい」「男性がもっと参加して欲しい」「曜日が違うといい」など様々でしたが、今日はいくつかのご意見についてお話させて頂ければと思います。

練習会の良い点のひとつに「レッスンとは違うメンバーと会える」というお答えをたくさん頂きました。これは単純にその時だけの楽しさももちろんありますが、色々な人と会って踊るというのは様々な面で大切なことです。例えば、時々参加するパーティで「誘ってもらえない」と感じる女性がいらっしゃいます。そういう場合、「レベルが足らないから」ということではなく、その場に知り合いや顔見知りがいないということが多いようです。日本の男性は比較的シャイかもしれませんが、知っている人を誘いやすいのは万国共通ではないでしょうか。初めての練習会やパーティで誘われる回数が少ないのは当然です。数を重ねるごとに知り合いや顔見知りが増えて、ダンスに誘い&誘われる回数も増えると思います。

また、ペアダンスでは「リード」と「フォロー」の関係がとても大切ですが、上達の鍵は違うクラスの、違うレベルの人と踊ることです。レッスンではクラスメートが同じステップを学んでいるので、その場ではリードやフォローが殆ど「通じる」と思いますが、他の人と踊ると「勝手が違う」と感じることがあります。そこで自分のリードやフォローの不確かさや正確さを感じることもあります。

アンケートでは「もっと講師と踊れれば・・」と言うご意見も少なくありませんでした。ただ、講師はどんな方とでもレベルを合わせて踊りますので、講師と「上手く」踊れることは実はあまり大切なことではありません。パーティダンスの場合、講師は、皆さんが色々な方と踊れるようにお手伝いをする役割ですので、練習会では生徒さん同士でどんどん積極的に踊って頂きたいと思います(もちろん、時には講師とも踊ってやって下さい!)。

練習会はとても大切で、そして色々なクラスの方が交わる、何よりも楽しい時間であるべきだと考えています。実際に、アメリカのダンススタジオでは、自分のレッスンがない日でも、レッスン後の練習会だけに出席する人も多くいました。JSDCの平日の練習会もそのようにしたいと思っています。また毎月の練習会には、レッスンを始めたばかりの人を含めて全員の生徒さんにお越し頂きたいと考えています。

男性も女性も誰にも遠慮はいりません、たくさん踊ってたくさん上達しましょう!

講師全員で応援します。

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ダンスを踊る場所

今回は、レッスン以外で「ダンスを踊る場所」についてです。
私が知っている踊れる場所はニューヨークと東京が殆どですが、東京なら東宝ダンスホ
ール(JSDCの新年会を毎年開催する会場です)、新宿ステレオホール、新世紀ダン
スホール、そしてホテル内のダンスホール、小さいものになるとダンスパブと呼ばれる
カラオケが歌えて社交ダンスも踊れる場所などたくさんあります。
NYの場合は、日本のように社交ダンスだけをしっかりと踊れる場所はあまりありませ
ん。各ダンススタジオが定期的に(毎週、毎月)開催するパーティで踊るというのが主
流です。ロッカフェラーセンターのビルの最上階にある「レインボールーム」のような
ダンスフロアを備えたレストランはいくつかありますが、ダンスをしっかり踊るという
より、ダンスは軽く楽しみながら食事をするという感じです。
この東京とNYのダンスホールや踊り方の違いは、競技用スタイルを踊るか、アメリカ
ンスタイルを踊るかの違いから来ていると思いますし、言い換えるとスポーツダンスを
するかソーシャル(社交)ダンスを楽しむかの違いでしょう。
社交ダンスに比べ、アルゼンチンタンゴ、サルサ、スウィングなどは、それぞれ独自の
愛好家がいますので、東京でもNYでも大きな違いはなく、それぞれのダンスだけを踊
れるクラブやレストランがいくつもあります。
ちなみに最近の中国では、太極拳に加えて社交ダンスを早朝や夜の公園で健康のために
楽しむようです。
文化やスタイルの違いでダンスを踊る場所も様々で興味深いものです。

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苦手意識について

今日は「苦手意識」についてです。ダンスを皆様に長く続けて頂くには、出来るだけ苦手意識を持たないで欲しいのです。このダンスは苦手、ターンは苦手、キューバンモーションは苦手、などと出来るだけ苦手なものを作らないで下さい。ダンスを始めて、12年の方が「この種目は苦手」と言われるものは、そのレッスンを他の種目ほど受講していないのが理由だと思われます。とにかく3年くらいはどのダンスもできるだけレッスンを受けて苦手意識を作らないで頂きたいです。

どんなダンスやステップもやればやるほど必ず上達するものです。グループレッスンであまり上達が感じられないと思われるような方は、一度個人レッスンを受けてみてはいかがでしょうか?個人レッスンはお一人お一人のペースで進みますので、その方が納得するまで何回受けても構いません。1回だけ、または何回か続けて受けられるかは皆さん次第です。

ダンスの上達は少しずつで決して急がないで下さい。ダンスが上達するという事は、ステップを理解するのと同時にダンスに合った筋肉を作っていく事になります。いいホールドを作るにも、ホールドするための筋肉を作らなければなりません。筋肉を作るにはある程度の時間がかかります。とにかく休まず、長く、楽しく、急がずダンスを続けましょう。

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新年会

1月18日、今回で6回目となるJSDC新年会を有楽町の東宝ダンスホールで開催し
ました。今年もJSDCの生徒さんを中心に45名の方にご参加頂き、VIPルームに
て、飲食を楽しみながら、カラオケ、おしゃべり、そしてダンスは大ホールで、盛りだ
くさんの4時間でした。
昨年までの新年会との違いと言えば、なんと言っても皆さんがダンスホールにいる時間
が長かったことだと思います。これは、皆さんのダンスが上達して、ステップの数も増
え、知っているステップだけで十分長い時間ダンスを楽しめるようになった結果です。
以前からJSDCのパーティに来てくれている外国人の方から、「毎回パーティに来る
たびにみんなのダンスが上手くなっているのが分かります」とのコメントを頂き、嬉し
かったことを思い出しました。
素晴らしいダンスホールと生演奏は皆さんに喜んで頂けたのですが、他の日本の社交ダ
ンスパーティ同様、6種類のダンス音楽しか流れていないのは、アメリカンスタイルを
中心に13種類のダンスをいつも踊っているJSDCの生徒さん達には物足らないこと
もあったかと思います。タンゴでアルゼンチンタンゴ、チャチャチャでハッスル、少し
感覚が違いますが、もしサンバがかかったらサルサも踊ることが出来ますよ、と事前に
お伝えしましたが、十分楽しまれたでしょうか。生徒さんに人気のウインナーワルツな
どが流れれば、大きなダンスホールなだけに更に楽しめたのではないかとも思います。
また、どのパーティに参加しても生徒さんのマナーが素晴らしいのでとても嬉しく思い
ます。ダンスパーティと言っても、特別なきまりがある訳ではなく、年齢を話題をしな
い、ステップを無理に教えない、汗やにおいに気をつけ清潔を保つ、など、相手のこと
を考え自分に当てはめて考えれば理解できる範囲のことです。
これからもクラスで十分に練習をして、パーティで楽しみましょう!

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ペアダンスの素晴らしさ

年末年始を迎えて、仕事もダンスもちょっとお休み、という方もいらっしゃると思いますが、ここで改めてペアダンスの素晴らしさについてお話したいと思います。

ダンスは、音楽を聞いて、それに合わせて体を動かすと言う単純なことのようですが、それだけではありません。全身を動かすこと自体、健康につながりますし、横へ動いたり後ろへ下がったりもしますので、日常生活で使わない足の横側や後ろ側の筋肉も程よく鍛えられます。もちろん、動く量やダンスの種類にもよりますが、殆どの人は自分に合った適量のダンスを踊っているように思います。ダンスは、ジムでのエクササイズやジョギングなどの一人で黙々と頑張るものと違い、音楽に合わせて楽しさを感じやすいせいか、時間もあっという間に過ぎていきます。仕事と仕事の間の一時間、レッスンで気分転換して、頭をすっきりさせて、また、仕事に戻る人もいらっしゃいます。必要なものはシューズくらいでしょうか。週に1回や2回のレッスンでしたら、いつも履いている靴でも問題ありません。かかる費用はレッスン料くらいです。JSDCでのグループレッスンは一時間一回2,000円です。

また、ペアダンスは色々な人と踊りますから、友達や仲間が出来ます。JSDCのグループレッスンで知り合い、ご結婚されたカップルもいらっしゃいます。ペアダンスに言葉は必要ありませんので、世界中の人とどんな年齢の人とでも楽しめます。そして、二人で踊りますので、人への気遣いの心が自然と養われ、相手を不快にさせないマナーも身につきます。そして姿勢もよくなり、不思議と自信が湧いてきます。

「スポーツ」、「芸術」、「社交」、などダンスの捉え方は自由です。2009年もこんな素晴らしいダンス、是非続けてくださいね。

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