アメリカンスタイルと競技スタイル②

前回に引き続き、アメリカンスタイルと競技会スタイルの違いについてです。これまで、ふたつのスタイルの違いを、ステップの難易度、音楽の重要性、ペアの体の密着度、などに基づいてお話しました。

   今回は、リード(男性役)とフォロー(女性役)についてです。アメリカンスタイルはダンスパーティで楽しむことをまず主体においていますので、リードなくして女性は踊れません。全ての女性の動きは男性のリードがあって起こります。リードをしっかり学べば世界中のどんな人とでも踊れます。また女性が、リードに従って動くことをフォローと呼びますが、最低限のステップを知っていなければリードについていくことは難しくなります。また、音楽をしっかり聴いてステップをテンポに合わせることも女性の役割です。

   競技会スタイルでは、まずステップを集めたルーティーンを決めて、それを頭と体が覚えるまで何度も練習します。文字通り、競技会などで踊られるスタイルですので、男女とも決まった振り付けを覚えることが競技会の出演などのために必要となりますが、この方法を不特定多数の人と踊るパーティで使うと、時に問題が起こります。日本で社交ダンスを永年習ったのに、海外のダンスパーティやクルーズのダンスタイムでは踊れなかった、とガッカリする方はこれが原因です。私自身も何度も競技会のスタイルの方と踊ることがありましたが、中にはリードに合わせるというより、ご自分が覚えたルーティーンで動く方が少なからずいらっしゃいました。ダンスを踊るとき言葉は必要なく、ペアの動きはリードで決まります。

   私自身もこれまでアメリカンスタイル、競技会スタイルどちらも踊ってきました。どちらのスタイルも世界中で人気があり、それぞれの美しさがあります。どんなスタイルも色々な場所で色々な方と楽しめるようにリードやフォローを見直してみましょう。日本でも世界共通のステップを学んでいるはずです。違うスタジオの人、違う国の人と楽しく踊れるようになるとダンスがもっと楽しくなります。